ばらばらに集められた多くの失敗事例が生かされていない最大の理由は、失敗を防ごうと考える人に過去に起こった失敗から得られる知識が正しく伝達されていないからである。失敗知識を正しく伝達し、その知識を獲得した人が正しく対応すれば同種の失敗は未然に防ぐことができる。それでは失敗知識の伝達に必要なものはなにか。それは失敗を生かそうとしている人が頭の中に持っている失敗”知識の構造”(ことばを変えると”文脈”・”コンテクスト”・”脈絡”のいずれでも良い)を明らかにし、それにしたがって個々の事例を記述し、失敗知識を獲得しようとしている人が検索でき、そしてそれを頭の中に吸収、定着させることができるような構造性を持たせることである。ここで最も大事なことは”失敗知識の構造化”である。
情報源: 失敗知識データベース